2021.06.19
工房風景
筆工房風景 点描筆について
トップの写真は点描筆の芯立て後の様子です。
点描筆はイタチで出来た、絵具を綺麗な玉型において置いてゆけるように毛組
(デザイン)を工夫した筆で、ここ数年で出来た筆です。
公募展や色々な展覧会を見ていても、画家の方々が意外と点描の表現に
ご苦労されていると気づいたことが開発のきっかけです。
関西画壇の懇意にしている方との交流によってブラッシュアップし製品化したという
経緯もあります。
同じようにイタチ、コリンスキー等で出来た面相筆でも先端が鋭い円錐形の
ものは点描には適していません。例えば弊社で人気の胡蝶やコリンスキー毛描等は
線描には適していても、点描には向いていません。
先が尖り画面に引っ掛かってしまうからです。
作家さんと話すと、お気に入りの面相筆がだいぶ摩耗して先がなくなった筆を
点描に使っているとよく伺います。
そこで、イタチの中でも含みがよく軟らかめの毛を選りだし、
先がふっくら丸くなるように最初からデザインして出来たのが点描筆となります。
弊社の他の商品でも白玉面相や白佳等点描に適している筆もありますが、
このイタチで出来た点描筆はより適した仕立てになっているかと
思いますので、ご興味ある方はお試し頂ければ幸いです。
また通常の面相筆より穂先が丸めの形状のため、例えば紋様のような
丸く入って、丸く抜けるような線を描きたいときにも向いています。
日本画家の知り合いからは点描以外でも彩色等にも万能の筆だと伺う事もあります。