2021.08.03
作家さんとの交流&展覧会
作家との交流 日本画家 ノートンコール様

6月に日本画家のノートンコール氏が清晨堂工房の見学にいらっしゃいました。
ノートンコール氏は、青梅在住で、先日まで東京耀画廊にて屏風画の
個展を行ったりと人物画等を中心にご活躍されている日本画家です。
普段は制作でバタバタしていて、工房の見学は原則行っていないのですが、
今回はご縁があり、写真家でアートディレクターでもあるノートン晶様と
ご夫妻でお越しくださいました。
工房の中をご覧頂いたり、制作のデモをお見せしたり、また
筆と絵画との関係等色々とお話したりもしました。
以前高名な日本画家 中島千波先生に
「君は作家に営業する必要はないけど、作家や美大生との交流を通じて筆作りでも吸収できることがあるはずだから、ご縁を大切にしなさい」
と言われてから、展覧会や美大での講義等、一つ一つのご縁をより大切にしようと思っています。
工房見学の様子を以下に少し載せます。
↓刷毛を吊るして乾燥させている所など、工房の様子をご覧頂いてるところです。
↓原毛の品質を知って頂き、漆塗りの連筆と廉価な水刷毛を比較しています。
↓ノートンコール氏ご自身で筆制作の焼締め工程も行いました。
↓ノートン氏が様々な筆を試し描きしているところです。
色々とお話もしましたが、私が
「ノートン様はじめ、日本画家の方々がいて私たちは初めて筆を
作ることができます。絵を描く全ての方々にとても感謝しています。」
とお伝えした所、
「筆作りの現場をみて、それが自分の想像よりいかに大変なものが
よく分かりました。
お互いサポートし合っていきましょう」
とおっしゃって下さった事が印象的でした。
筆を含めた画材業界と、作家さんのいる美術業界は、現在は少し距離があるように感じますが、こういった一つ一つのご縁を大切にし、画材と美術の世界の横の繋がりを作ってゆければと思います。
ノートンコール様、ノートン晶様のこれからも益々のご活躍を心より
お祈りしております。
清晨堂
阿部悠季