2020.12.29
工房風景
刷毛は摩耗する(短くなる)??
「新しい刷毛を買ったら、持っているものより穂先が長いんですが。。」
と、お客様に言われた事があります。
筆、刷毛の穂先が擦り減らないと思ってしまう方も中にはいらっしゃいます。
日本画においては、岩絵具で描くという事はサンドペーパーに筆、刷毛を
擦り付けているようなものです。
日本画でなくても、長期間使用すれば、紙との摩耗により穂先は擦り減ります。
トップと以下の写真は、長い間お使い頂いた刷毛と、元々は同じ穂丈だった
刷毛との比較写真となります。
↓(左)数年間使用 (右)新品
写真を見て頂いても、数ミリ穂丈が削れて短くなっていることが分かるかと
思います。
ただ、作家の方をお話をしていると刷毛や連筆等は新品の状態より、
少し使用して手になじんだ位が一番使いやすいという作家さんが多いように
感じます。
大学の新入生の頃から使って下さっている私共の刷毛を10年、20年経っても、
まだ使っているという日本画家も多くいらっしゃいます。
ホームページにお手入れ法にも詳細を書いておりますが、
筆は消耗品ですが、丁寧に扱えば長持ちします。
使いづらい筆を使い捨てにするのではなく、
気に入った筆を大事に長く使って頂ければと思います。