2020.12.30

工房風景

筆は摩耗する(短くなる)??

前回の記事で刷毛の摩耗について書きましたが、
筆も刷毛と同様に、岩絵具や支持体等との摩擦により、先がなくなり、
短くなっていきます。

ただ、良質の筆は少し先が減っても用途があります。
例えば応手のような線描筆でしたら、最初はここぞという線描に使用し、
少し減ってきたら細部の彩色筆として活躍します。
筆の入りが鋭い箇所の彩色には、通常の彩色筆よりこちらの方が適しているかも
しれません。
通常の彩色筆は先が丸くなるように、もしくはなるべく大きな面を塗れるように
開くようにデザイン(毛組)されているからです。

祖父が「長流は最初は線描、付立に。減ってきたら彩色、そして隈取、まだ使いたかったら先を切って砂子筆にでもしなさい」と言っていたそうです。
筆の性質を知り、しっかり手入れをすれば他の用途でも役立つ所があるかもしれません。

その他にも筆や刷毛について、今まで頂いたご質問の代表的なものは
よくある質問 Q&A」にまとめてありますので、ご興味がある方は
ご覧頂ければ幸いです。

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