2021.02.18

工房風景

工房風景 原毛煮沸

ほとんど全ての原毛について、下仕事で毛を煮ています。
これは原毛のクセを取り、真っすぐにするためです。
脱脂はこの後の毛揉みの工程で行います。

トップの写真は似たイタチを網に乗せて干している所です。
雑食性のイタチや狸は非常に癖が強いため、1日中煮て、しっかりを
熱をいれて毛を真っすぐにします。
イタチは面相筆や線描筆の主原料となります。
(原毛の詳細についてはこちら
赤ちゃんの誕生記念に胎毛筆を作ることがありますが、個体差もあり
癖が強いため、イタチや狸等と一緒に煮ます。
バージンヘアー(最初にカットした毛)しか筆にできませんので、
ご注意下さい。清晨堂で胎毛筆の制作はしておりませんが、自分の子供の
筆は制作しました。私の胎毛筆も祖父が作ってくれた物が残っています。

↓布で包んで、上から重しを載せて煮ています。

以下は先日煮た山羊尾毛を煮た後に、網に載せて乾かしている所です。
草食の山羊はクセはそこまで強くなく、イタチや狸のように長い時間は
煮ません。原毛それぞれの煮方は口伝で伝わっている独自の製法です。
山羊尾毛は日本画筆に最も多く使用する原料で、刷毛平筆連筆則妙
彩色筆まで様々な筆の原料となります。
良質の天然原毛は水で濡らすとキラキラ光ることから職人の間では
「光(ひかり)」と呼ばれています。

 

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