2020.11.28

工房風景

筆工房風景 筆作りに大切なこと その2「道具」

筆作りにおいて欠かせないのが、金櫛(かなぐし)等の道具です。
トップの写真は上から金櫛(目が粗いもの、細かいもの)、毛を抑える竹でできた
なめ板(自分で竹を割って作ります。)、毛寄せに使用する手板、
あとは半指(はんさし)4本です。

最も良く使う金櫛や半指しを作る職人は、20年程前はいたそうですが、
皆廃業してしまいました。
父が何十本も買い貯めてくれていたので、皆で分けて大切に使っています。
「その1」の原毛についてもそうですが、筆そのものの需要がかなり減少して

しまっているため、周辺の仕事はこれから益々厳しい状況になっていくかと
思います。
三千本膠が製造困難になったりと、画材業界を取り巻く環境は変化しつつあり

一度絶えてしまった技術や伝統はなかなか再生させる事が難しいです。

軸の仕事にも、軸をまっすぐにするための矯め棒や、小刀や鉋等
様々な道具を使用します。

↓軸矯め棒に小刀、鉋

小刀は東京の職人に誂えで、作ってもらっています。
その辺で売っている小刀とは切れ味が全く違い、作業効率が違いますし、
軸の仕上がりも綺麗になります。

絵を描くのに筆や絵の具等の道具が大切なのと一緒で、筆を作るのにも
良質の道具は欠かせません。

最後に、筆作りの工程の中、毛を固めて毛板にしたり、仕上げに使用するふのり
ですが、清晨堂は福井産の良質の物を使用しています。
天然海藻成分ですので、人体には全く影響ありませんので、安心してお使い下さい。

↓ふのり

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