2020.12.02
工房風景
筆工房風景 筆作りに大切なこと その3「技術①」
筆作りにおいて、最も大切で習得に時間を要するのは「技術」です。
筆作りの工程は原毛の選別~下仕事、上仕事、仕立てと数十に及びます。
その一つ一つの工程ができるようになるまで数か月掛かりますし、
全行程を習得するとなると最低でも5年~10年程度の時間を要します。
また「1日に筆は何本できますか?」と質問をよく頂きますが、
原毛の状態から製品になるまでには数か月の時間がかかります。
数十の工程をずっと同時並行で進めていますので、1週間筆が出来ない週も
あれば、毎日仕立てていく時もあります。
代表的なものを紹介しますと。。(詳細はこちら)
「毛寄せ」
トップの写真は、山羊尾毛に金櫛を掛けて、毛を真っすぐにしてしている
ところです。
動物の毛は円錐形をしていますので、先に寄せるのには技術がいります。
簡単に揃うものもありますが、山羊胴毛や馬胴毛等は先に寄せるのに
修練が必要です。
↓手板に向かって、先をピタッと揃えます。
↓先に寄った山羊尾毛
↓新聞紙で巻いていきます。
↓これで毛寄せは完成です。
人間の毛は鋏が入ってしまっていて円柱形(先が止まっている)なので
バージンヘアしか筆にできません。
この新聞紙の包みを水とふのりを浸透させてから平めると、以下のような毛板に
なります。