2021.03.04

工房風景

工房風景 連筆と刷毛の違い

工房で制作中である連筆について、ご説明致します。
まず連筆刷毛の違い」についてですが、

刷毛は原則、全ての毛が同じ長さであり、直線的な動きに強い、という特徴があります。また連筆に比べると、広い面を一気に塗ることが可能です。

一方、連筆は穂首一つ一つが筆の調子を持っているので、強弱の効いた面塗が
可能です。刷毛と異なり、筆の喉、肩辺りにも毛があり(全てが同じ長さでなない)、絵具の伸びが良いという特徴もあります。
また、直線的な面塗りだけでなく、曲線的な面塗り(人物の肌等)にも非常に適しています。
連筆で人物画の肌を塗っているという話は、プロの日本画家の方からよく伺います。

通常連筆は3本立~7本立位までが画材店においてあり、3寸~4寸位の刷毛のように広い面積を塗ることは滅多にありません。
広い面塗りに使用するため、特注でトップの写真のような大型の連筆を制作する事も
ありますが、一般的ではありません。最大32連筆迄制作した事があります。

連筆の品質についてですが、最も大切なのは原毛の品質です。
また、様々な原毛をどのように選択して、筆の含み、コシの強さ等をデザインする事も大事になってきます。

以下は連筆細平制作時の毛板選びです。
中国無錫産の上質の天然原毛(山羊尾毛、山羊毛胴毛、少量の馬胴毛等)を使用しています。

 

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