2020.12.15
作家さんとの交流&展覧会
東京藝術大学日本画科 筆講義 筆の歴史 紙巻筆(雀頭筆)から水筆へ
それでは、日本に残っている最も古い筆は何なのでしょう?
それは、奈良の正倉院に所蔵されている紙巻筆です。(トップ写真)
雀頭筆(じゃくとうふで)とも呼ばれたりします。
弊社の筆で形状が似ているものだと線描筆(雀頭筆)がありますが、
製造方法は異なります。
現在は制作している工房は少ないかと思います。
構造としては、
まず、中心に1番長い獣毛を立てて、
その周りに和紙を巻いて、
次にまた毛を巻いて、
さらに和紙を巻いて。。
と何層にも繰り返して仕立てていく筆となります。
基本的に穂先のみを下ろし使うもので、穂先全体を水に浸けると
和紙が溶けてしまうという短所もあります。
後日のブログで書筆と画筆の違いについても触れますが、これも
少し関連してきます。
この筆は歴史が長く、長く使用されていましたが、江戸の元禄時代の頃に
細井光沢という学者・書家が現在使用されている水筆(すいひつ)を考案した
と言われています。
江戸時代に入り100年近くが経ち、平和な時代が続き、芸術・文化が発展して
ゆきます。俳諧の松尾芭蕉や尾形光琳、菱川師宣など有名です。
水筆とは、穂首全体が練り混ぜされていて、穂首全体が調子を持っているという
特長があります。紙巻筆を有芯筆、水筆を無芯筆と呼んだりもします。
↓弊社線描筆(雀頭筆)