2020.12.12
作家さんとの交流&展覧会
東京藝術大学 日本画科 筆講義 筆の歴史
3時間の講義となりましたが
・スライドを使った筆の歴史や製造工程の説明
・展示した原毛の説明
・筆作りのハイライトの実演
・学生による2寸絵刷毛制作実習
・弊社筆、刷毛を使った試し描き
という詰め込んだ内容となります。
スライドを使って説明した筆の歴史について、少し触れたいと思います。
トップの写真は甲骨文字と呼ばれるもので今から3000年以上前に
中国で出土したものです。
動物の骨や亀の甲羅等に熱した金属棒を差し込んで、ひび割れを起こし
その内容を占い、彫り込むというものです。
この出土したものからも、字を彫り込む前に、毛筆による下書きがされていたことが
分かっています。
今から3000年以上前に、毛筆に類したものがあったという事になります。
文房四宝(ぶんぽうしほう)と呼ばれる筆墨硯紙(ひつぼくけんし)も、
この漢字の並び順に発明されたと言われています。
まず筆ができ、次に墨と硯が、竹簡等に書いていたのが紙に変わったといった
具合です。
要するに筆の歴史は非常に古いという事です。
日本でも2012年に古事記の編纂者の太安万侶の墓誌から下書きの跡が
検出されています。
また、令和に元号が変わった時も皇室で亀の甲羅を焼いて占う儀式が
行われていました。