2021.09.06

作家さんとの交流&展覧会

多摩美術大学 筆講義(日本画科、芸術学科、油絵学科)

7月に多摩美術大学にで筆講義を行ってきました。
制作が忙しく、ブログへのアップが遅くなってしまいました。

多摩美へは毎年オープンキャンパスの時期に、日本画科、芸術学科
油絵学科に3日~4日間集中的に講義に伺っています。
日本画科・油画科での講義はおよそ10年に、芸術学科での講義は
5年程になります。
芸術学科での講義が懇意にさせて頂いている日本画家 木下めいこ先生との
ご縁で始まりました。
コロナウィルスへの対策を万全にするため、教室や人数を分散させて
行いました。例年よりかなり大変ではありましたが、無事に終わって
ホッとしています。
来年度は各美大での講義が通常通り行われるような情勢になれば
よいですね。

↓写真は芸術学科での講義の様子です。

 

 

各美術大学へ講義に伺わせて頂いていますが、一番大変なのは
事前の準備です。
毎回コンテナ4箱~5箱を事前に送付し、また実習で作る筆や刷毛、
デモンストレーションに使う半加工品は風呂敷で包んで手荷物として
持っていきます。
意外とこの準備が大変で、数週間前から準備に取り掛かります。

↓以下は原毛について説明している様子です。
原毛は大きなコンテナにぎっしりと詰めて送っています。
鼬やコリンスキーの尾っぽの特性、産地等を説明している所です。

 

筆の歴史や製造工程をパワーポイントを使って説明する座学から始まり、
原毛の説明、私の筆制作デモンストレーションや生徒さん自身の制作体験
、試し描き等3時間から6時間程行いますが、あっという間です。

↓彩色筆デモンストレーションの様子です。

↓胡蝶大を軸に接着している所です。
講義後に私が片付けをしている時に、接着が固まった筆を、普段は筆をあまり
使わない芸術学科の生徒さん(私たちの筆を使ったことのない)が制作に使用し

「いつもの筆と全然違う!皆も早く使った方がいいよ!!」

と言ってくれていたのが嬉しかったですね。

 

↓こちらは刷毛板の構造の説明をしている所です。

 

↓最後に筆のお手入れ方法を説明している所です。

 

 

多摩美術大学での講義は近くのホテルに泊まっての講義ですので
私のような職人には滅多にない泊まりがけの出張です。
毎年橋本に来ると「1年経ったんだな~」としみじみ思います。
各美術大学で講義を行っていますが、わざわざご依頼を頂いての事ですので
大変有難い事と思っております。
「絵を描く筆の話と筆・刷毛の制作実習」という講義名ですが、
「絵を描く方々」へ日頃の感謝の気持ちを忘れずに一つ一つの講義を
行って行ければと思っています。

清晨堂
阿部悠季

ブログランキングに参加しました。
以下のバナーをクリックで応援よろしくお願い致します。

にほんブログ村 美術ブログ 日本画へ
にほんブログ村